しものやけ

こどもの頃、冬になると決まってしもやけができた。
足から手から指という指はぷっくりふくれあがり、部屋の中が暖かくなるとムズムズ痒くなる。とても勉強どころではなく、高校生になってもおしっこを我慢する幼児のようにモジモジするのだった。

しもやけは血行が悪いのが原因だということで、冷水と湯を交互につけて揉むと良いとか、ビタミンEを摂取すると良いとか言われ、風呂で試したりクリームを塗ったりサプリメントを飲んだりしたけれど、一向に改善しない。春になって気温が上がれば自然に治るので、毎年春が待ち遠しかった。高校時代の友人はしもやけと花粉症でダブルパンチを喰らっていたけれど、幸いにも私は花粉症ではないのでとにかく春が来ればパラダイスだと友人に意味のわからない自慢をしていたのを思い出す。

そんなしもやけ症が、今年になってまさかの再発。
暖かい部屋で懐かしい痛痒さと闘う45歳の冬。
今年の冬はそんなに寒かったのだろうか。今はインターネットの時代、しもやけを検索してみれば気温が低いことよりも10度以上の温度差が関係していることが判明。どうりで。暖かい静岡でもしもやけができるわけだ。

で、治し方は、昔も今も変わらない。ただちょっと自分に財力と行動力がついたことでしもやけの塗り薬を買えたことと、文明の進化によって気軽に摂取できるビタミンEの食材が増えたこと。そして、5本指靴下の普及によって随分と足指の動きがラクになったこと。

おかげでこどもの頃はワンシーズン諦めていたしもやけが、たった数日で快方に向かった。

しもやけは、治るんだ！（驚）