urashimono

otoshimonoの裏日記。すなわちemixがつらつらと適当に書きます。

カルガモ人生論

公園のカルガモに赤ちゃんが産まれたことは近所ではじわじわと知れ渡り、人工池は連日人で賑わっている。
私は普段から池の水鳥や鯉、亀などを眺めるのが好きで年じゅう池には顔をだしているのだけど、仔ガモが産まれたからといってそのときだけ盛り上がるいわゆる「ブーム」というのは好きじゃない。そういう人たちはだいたい仔ガモをみてかわいいかわいいとだけ云う。成鳥のカモだって亀だってとてもかわいいのに。で、数ヶ月経って仔ガモが成鳥と同じくらいになると、また興味がなくなってしまう。なんだかニンゲンの生き様を見ているようで深く考えさせられる。
以前チャボを飼っていた頃、雌鶏が卵を孵すことは何度もあった。だいたい7〜8個を一度に抱き、3週間で雛が孵る。ヒヨコはピィピィ親鶏のあとを追って庭のなかをくまなく探検するのだけど、親鳥にはなんのことない場所もヒヨコに取っては命取りで、よく排水溝の中に落ちて帰らぬ雛となり……といったこともあった。中には消化不良を起こしたり病気になって死んでしまう雛もいて、一度に7〜8羽産まれても成鳥になるのは1〜2羽といっても大げさな話ではない。
野生のカルガモもそういったリスクを抱えているのは同じで、10羽の雛が10羽とも成鳥になれる確率のほうが低いだろう。ニンゲンの場合・・・もともと一度に産まれる数が少ないので余程のことがない限り成人を迎える確率は高いけど、成人になってから生死を彷徨う率はもしかしたらカルガモより高いのかもしれない。なんて、ふと思った。