urashimono

otoshimonoの裏日記。すなわちemixがつらつらと適当に書きます。

●ラ●もん

高校生の頃、進学する大学選びの第一条件と言ってもいいくらいこだわっていたのはカレッジじゃなくてユニバーシティであること。大学院まで進学するつもりはなかったけど、せめて学部は多いほうがいいと思っていた。音大に進みたくなかったのは実力がなかったこともあるけど、音楽に特化した人間ばかりの集団のなかで他の考え方や志向性がない空間でぬくぬくするのがイヤだったというのもある。
それは私が結果的に目指すことになった教育学部でも同じで、世の中先生など割合でいったらほんの少数派なのにあたかも先生こそがすべてのような空間で4年間過ごすのは窮屈だし、運良く先生になれたとしても一生学校から外の世界を知ることがないというのもつまらない、などと漠然と考えていたので、せめて大学ではいろいろな学部の人と触れ合える環境がいいと思っていた。
とはいっても国立の総合大学を目指して進学する人は公務員指向が強いので、結局学校の先生であったり役所や公的機関の職員だったりが多いのだけど、理系学部の卒業生は大手企業の研究職に就職する人も少なくない。
理学部化学科を卒業した大学の先輩が製紙会社の研究開発部門に携わっていて、今回画期的な印刷用紙を開発したということで新商品展示会に行ってきた。場所は虎ノ門

平日の虎ノ門オフィスビルにはビジネスマンで溢れている。ちょうどランチタイム前後だったので、オープンスペースにはネームカードをぶら下げた会社員たちが食後のコーヒーなどすすりながら優雅に思い思いの時間を過ごしている。
「優雅に」・・・って、そう見えるんだよなぁ。
実際のところは皆いっぱいいっぱいなんだろうね。スマフォ弄って「ランチでーす♡」なんてSNSにアップされてるのを眺めては「いや、私だって負けてないぞ」なんて息巻いてる。虎ノ門のオフィスで颯爽と歩くOLを端から眺めて「ケッ、勝ち組め」なんて感じるのもナンセンスかもしれないけど、やっぱり隣の芝は青いのだろうなぁ
「今見えているものがすべて」だなんて思いたくないなんて考えているのに、広い世界で見えた隣の青い芝がすべてだと感じてしまうのって、矛盾してるな自分。なんて、そんなことを考えながら今日も生きている。